院長
音楽家のからだの障害(3)どこが痛むか
私はこれまで8,000人以上の音楽家を治療してきましたが、以前音楽家のオーバーユース障害について調査した結果が下の表です。
楽器の弾きすぎによる手の障害のなかでは腱鞘炎、付着部炎、筋肉痛の3つの疾患が全体の60%と、半数以上を占めました。
人間の手は下図のように、筋肉が腱となって骨に付着する構造によって動きますので、先ほどの3つの疾患は、これらの一連の組織のどれかが痛んだ状態、ということになります。
付着部というのはこの図の中の、筋肉から伸びた腱が骨に付着する部分のことです。
付着部の炎症が付着部炎で、テニス肘やゴルフ肘もこの一種です。
音楽家の手の障害
腱鞘炎 25%
付着部炎 24%
筋肉痛 16%
関節痛 7%
神経障害 22%
その他 3%
【本日の名言】
後からくるであろうことを、なぜ心配するのだ。 すでに来たと同じように、それも通りすぎるだろう。
-ロマン・ロラン