股関節の痛みについて
変形性股関節症
高齢者の股関節痛の多くも軟骨がすり減る変形性関節症によります。
変形性関節症は、加齢とともに関節の軟骨がすり減って痛みを起こす疾患です。軟骨は骨の表面を覆って滑らかな関節面を造り、骨同士がこすれ合うのを防ぎます。軟骨が減って表面を覆いきれないと、骨同士がこすれ合って硬くり、骨の変形が起こります。
軟骨はスポンジのような構造をしており、水分を豊富に含んでいます。軟骨には血管がほとんど存在しないため、主に栄養を関節液から受けています。関節液は軟骨への栄養補給だけでなく粘り気を持っており、この粘り気が機械油の役割を果たして軟骨の摩耗を防いでいます。関節液の粘り気はヒアルロン酸によるものですが、変形性関節症の関節液ではヒアルロン酸の濃度が低下するため粘り気を失い、軟骨が一層摩耗する現象が起きます。残念ながらヒアルロン酸は股関節内への注射が認められていません。このため股関節の注射療法として、当院では再生医療のPRP(Platelet Rich Plasma、多血小板血漿)注射をお薦めしています。
(引用元:整形外科ネット)